カードローンの返済方式は「リボルビング払い」が基本です。
消費者金融でも銀行でもカードローンはだいたい全て同じです。
会社によって元利均等方式や元本定額方式、残高スライド方式など細かな違いはありますが。
リボルビング払いの最大のメリットは借入が増えても毎月の返済額がほぼ一定であること。
家計の計画も立てやすくなります。
※「ほぼ」と書いたのは、例えば、借入残高が10万円以下なら5000円、10-30万円なら10000円、30-50万円なら15000円など、残高の特定の範囲の中で一定ということです。
ところが、その「メリット」の反面、利息の総額を考えればお得とは言えません。それにちょこちょこ追加借入しているといつ永遠に返済は終わりません。ずっと利息を支払い続けている状態になります。
この記事では、「リボ払いのメリットを享受しつつ利息を減らして早く返済を進めるにはどうしたらいいか」を解説していきます。
リボルビング払いの計算の仕方
元利均等リボルビング払いの利息額
例えば、借入額が50万円で金利は18%、毎月の返済額が15,000円で、返済方式が「元利均等」のカードローンがあったとします。その場合の利息は以下の額になります。
・1ヶ月目:50万円×18%×(30日/365日)=利息7,397円
元金の50万円から7,603円(返済額15,000円−利息7,397円)が減るため、2ヶ月目の元金は492,397円になります。
・2ヶ月目:492,397円×18%×(30日/365日)=利息7,285円
そして、1年後には81,008円の利息を支払い、2年後には142,880円、返済の完了する47ヶ月後には194,050円の利息を支払います。つまり、総額で694,050円(50万円+194,050円)の返済になります。
追加借入をした場合
仮に、毎月の返済金額と同じ15,000円を毎月追加借入をしたとします。そうすると、元金の減る分より借入額が多くなるため、毎月支払う利息額が増えていきます。上記の例では、以下になります。
・2ヶ月目:507,397円(元金残492,397円+追加借入15,000円)×18%×(30日/365日)=利息7,507円
借入残高は7,493円(返済額15,000円−利息7,507円)が減ります。
・3ヶ月目:514,904円(元金残499,904円+追加借入15,000円)×18%×(30日/365日)=利息7,618円
毎月の返済額と同額の借入を1年間繰り返すと、1年間の借入額180,000円(15,000円×12回)に対して、何と97,784円もの利息を取られることになります。つまり、借入額の54%が利息で消えるということです。しかも、元金残高は当初よりも増え、590,181円に膨らんでいます。これが、リボルビング払いの「怖さ」です。
当然ですが、追加借入額+利息額より多い金額を返済しなければ、元金は減らないということです。
残高スライド方式
近年のカードローンではリボルビング払いの欠点を補うために、「残高スライド方式」が採り入れられています。残高スライド方式というのは、残高が一定額以上に増えた場合に、毎月の返済額も比例してアップさせるということです。逆に、残高が一定額減ったら返済額もダウンします。
残高スライド方式でも借入残高の増減によって返済額が変わるだけであり、返済額の中から元金に組み込まれる金額の比率が高くなるわけではありません。従って、借金が残り続けることに違いはありません。
リボルビング払いを早く終わらせる
繰上げ返済
カードローンのメリットにはいつでも「繰上げ返済」のできることがあります。クレジットと違って業者への連絡や承諾は必要ありません。資金的に余裕が出た場合は、まとまったお金を返済することが余計な利息を支払わず、借金を早く無くす最善の策と言えます。
繰上げ返済の金額は利息が関係ないので、支払った全額が元金の返済に充当されます。例えば、上記の例で返済額を15,000円ではなく、10万円を返済したとします。
・1ヶ月目:50万円×18%×(30日/365日)=利息7,397円
元金の50万円から92,603円(返済額10万円−利息7,397円)が減るため、2ヶ月目の元金は一気に407,397円に下がります。
・2ヶ月目:407,397円×18%×(30日/365日)=6,027円
繰上返済をしないと利息が110円しか減らなかったものが、繰上返済をしたことで、1,370円も下がります。繰上げ返済ができる時は、必ず実施することが得策です。
一括返済
最も良い返済方法は借入残高の一括返済です。一括返済する際に注意の必要なのが、一括返済する日までの利息を足さなければならないということです。利息額はWEBサイトの会員ページで確認できますし、業者のコールセンターでも教えてもらえます。ただ、利息は1日で変わるので、返済予定日には必ず実行することが肝心です。
ちなみに、1,000円未満の残高が残ったとしても「完済扱い」になるため、端数の残高に対して利息がついたり、支払いの請求が来たりすることはありません。契約を解除するつもりでもなければ、そのままにしておいても問題はありません。
まとめ
カードローンのリボルビング払いは非常に便利なようですが、諸刃の剣でもあります。
返済完了しない間は絶対に追加借入をしないという信念があるのであれば、有効な返済方式ですが、何かあると借入をしてしまうような意志の弱い人には非常に危険な支払方式になっています。
また、残高スライド式は効果があるように思えますが、返済額が増減するだけで、元金が残りやすいことに変わりはありません。