キャッシングには様々な用語があります。例えば「ブラック」というのは延滞などの事故情報のことを指します。個人信用情報に延滞が記録されると他の金融機関からの借入もできなくなってしまう最悪の状態のことです。
今回は「ホワイト」というキャッシング用語について解説していきます。
目次
ブラックってどんな状態なの?
まずはキャッシングにおける「ブラック」とは何か?
キャッシングにおける「ブラック」とは事故情報のことを指します。よくキャッシングのブラックリストがあるといいますが、キャッシングにはブラックリストなんて存在しません。正式には事故情報が信用情報機関に登録されてしまったということを言っているのだと思います。
事故情報とは?
個人信用情報に登録された「事故情報」とは、キャッシング会社の信頼を損ねる行動のことです。具体的に例を挙げると2か月以上の長期滞納、自己破産や個人再生をしたという債務整理、第三者に弁済してもらう代位弁済などが事故情報として登録されます。
事故情報が信用情報機関に登録されてしまうと、次のような影響(不利益)があります。
- 新しくクレジットカードを作るのが難しくなる
- 住宅ローンを組むことができなくなる
- 携帯電話の分割購入ができなくなる
このように、個人信用情報に事故情報が登録されてしまうと、クレジットカードを作ることや、住宅ローンが組めなくなるといったお金を借りることに関する契約ができなくなってしまいます。
携帯電話の分割購入も実はれっきとしたローンです。個人信用情報を確認されてから契約可否が判断されます。なので、事故情報が登録されていると携帯電話も一括で買うしかなくなります。逆に、携帯電話を分割購入しているときうっかり代金の延滞を繰り返してしまうと事故情報として登録される可能性があるので注意しましょう。携帯電話代金の支払いが少しくらい遅れてもと軽く考えてはいけません。
事故情報はいつ消えるの?
個人信用情報から事故情報が消えるまでの期間は信用情報機関によって異なります。
日本には3つの信用情報機関があります。その中でブラックが消えるまでの期間が最も短いのが日本情報信用機関(JICC)です。JICCの場合、長期滞納の記録は滞納解消から1年、自己破産の記録は自己破産してから5年間登録されます。これで最も期間が短いので、他の信用情報機関ではもっと長く保管されてしまうのです。
また、信用情報機関に私はもう借金がなくなったからブラックを消してくれと頼んでも、消してくれることはありません。信用情報機関はブラックを決められた期間登録しなければならずそのような申し出に応えることは絶対にありません。
詐欺に注意
ブラックは消すことができますと公表している業者は詐欺である可能性が非常に高いです。
先ほど述べたように、正当な理由で登録されたブラックは絶対に消すことはできません。それにもかかわらず消すことができると主張する業者は非常に怪しいと言えます。騙されないように注意が必要です。
ホワイトってどんな状態なの?
ブラックが事故情報なら、ホワイトは一体どういうことでしょうか?
それは、個人信用情報機関に借り入れやクレジットカードの利用履歴が全くない状態を指します。
更に、ホワイトには大きく分けて2種類あります。
1つ目がこれまでにキャッシングやクレジットカードを全く利用したことがない、キャッシング完全素人の場合です。この状態を「スーパーホワイト」と呼びます。
2つ目が過去にブラックが信用情報機関に登録され、その後削除された後の状態である場合です。ブラック情報は5年程度で消えますが、借り入れなどの記録も同じ時に消されます。そのため、全くキャッシングやクレジットカードを利用したことがない人と同じ状態になるのです。この状態を「信用ホワイト」と呼びます。
このように、同じホワイトでもこの2つには大きな違いがあります。
スーパーホワイトだと審査に不利?
キャッシングやクレジットカードを全く利用したことがないスーパーホワイトは、これまでキャッシングを利用する必要がなかった安定した生活を送っていた人と言えます。このような人は、キャッシングなどの審査に落ちる事はないように思えますが、実際は審査で不利を受ける可能性があります。
あなたがキャッシング会社を運営している場合、スーパーホワイトの方と信用ホワイトの方どちらにお金を貸したいと思いますか?
答えはもちろん「スーパーホワイト」の方ですよね?
しかし、ここで問題となるのは、個人信用情報機関に登録されている情報ではどちらも全く同じであるということです。つまり、個人信用情報からは、スーパーホワイトなのか信用ホワイトなのか区別がつかないのです。
そのため、実際はスーパーホワイトの人でも、信用ホワイトではないか?と疑われてしまいます。
疑われるポイントは、クレジットカードの利用についてです。
現在はほとんどの人がクレジットカードを利用しています。そのため、1枚もクレジットカードの利用履歴のない人というのは何かしら理由があると考えられてしまいます。もちろん現金主義を貫いているという人もいると思いますが、それを客観的に判断する材料はありません。
では、キャッシング会社はどのようにスーパーホワイトと信用ホワイトを判断しているのでしょうか?
20代でスーパーホワイトは珍しくない
20代の場合、クレジットカードを利用したことがないという人は少なくありません。そのため、20代でスーパーホワイトであっても、キャッシング会社がこの人は信用ホワイトだと考えることはまずありません。
それに、もし過去にキャッシングをしてブラックになったとしても、最長5年間は個人信用情報に記録が残りますから、例えばキャッシングのできる最低年齢である20才でブラックになっても25才までは記録が残るはずなので、25才以下で信用ホワイトになることはありえません。
30代以降でスーパーホワイトなら要注意
ある程度社会経験を積んだ30歳以上の方がスーパーホワイトであればかなり怪しまれてしまいます。
いくらカードを全く使わない現金主義の方でも、何かあったときの為に1枚くらいはクレジットカードを持っているものです。
それにもかかわらず、30歳を過ぎてクレジットカードを利用した経験が全くないとなると、何かクレジットカードを利用できない理由があるのではないかと疑われてしまいます。
スーパーホワイトは決して悪いのではなく、キャッシング会社としては信用ホワイト(元ブラック)を引いてしまうことだけは絶対に避けたいという想いから、少しでも疑いがある場合はリスクを冒さないようにしているのです。問題なのはスーパーホワイトと信用ホワイトを見極めることができない現段階の制度にあり、これが改善されることを強く望みます。
このようにスーパーホワイトはキャッシングの審査においては決して好材料とは言えず、むしろ審査が厳しくなってしまう可能性を秘めています。30代になってクレジットカードを作りたいという方はスーパーホワイトを何とかして抜け出したいですよね。次の章ではスーパーホワイトをどのように抜け出すのかいくつか紹介していきます。
スーパーホワイトを抜け出すには?
30代になってキャッシングやカードローンを利用する場合、事前にスーパーホワイトを抜け出しておくと審査がスムーズに行われます。では、そのようにしてスーパーホワイトを抜け出すことができるのでしょうか?ここでは2つの方法を紹介します。
1. スマートフォンの分割払いでスーパーホワイトを抜け出す
スーパーホワイトがクレジットカードを作るためには、もっともらしい理由が必要です。携帯電話は一括で購入するとかなりの金額になってしまうため、ほとんどすべての人が分割払いで購入しています。そのため、スマホの分割払いを行うためにクレジットカードを作ることは不自然ではなく、クレジットカードを発行できる可能性が高いです。その後は支払いを滞りなく行えば、スーパーホワイトから抜け出すことができます。
2.家電製品を購入してスーパーホワイトを抜け出す
スマートフォンは買い替えたばかりなので他の方法を探している方は家電製品を買うときにショッピングローンを組むのをおすすめします。ショッピングローンとは、カードとは異なりある1つの商品を購入するためだけの分割払い契約のことです。これも滞納せずにしっかり支払いすることで、スーパーホワイトを抜け出すことができます。
スーパーホワイトを抜け出すことは決して難しいことではありません。そのため、スーパーホワイトであることを悲観する必要は全くないと言えます。どうしてもスーパーホワイトを抜け出したい人はここで紹介したものを実践してみるといいでしょう。
滞納には注意
スーパーホワイトを抜け出すためにスマートフォンや家電製品を購入しても、返済を滞納してしまっては全く意味がありません。滞納が続けばブラックが登録されてしまう可能性があるので、滞納は絶対にしないようにしましょう。
まとめ
- キャッシングのホワイトは信用情報機関に何も情報がない状態を指す
- ホワイトにはこれまでに全くキャッシングを利用した経験がないスーパーホワイトと、ブラックが削除されてなった信用ホワイトがある
- スーパーホワイトは信用ホワイトと区別がつかないので審査で不利益を受けることもある
- スーパーホワイトを抜け出すことはそれほど難しいことではない