一般的に、カードローン利用者は男性の方が多いのですが、女性が少ないというわけではなく、それなりにいます。
アコムの場合、男性72.8%、女性27.2%というデータがあります。アコムは大手なので統計的には十分な数を元にしたデータなので、他社でもだいたい同様の割合といえます。
女性だってお金を借りないとやっていけないことも多々あります。急な出費があったり、お付き合いでどうしても断りづらいこと、母子家庭でやりくりが大変、給料日まで手持ちがない。。。
もちろん、消費者金融も女性を重要な顧客として見ています。
今回は女性のカードローンに焦点を当てて見ていきましょう。
目次
女性向けのキャッシングの実態は?
一般向けと女性向け、カードローンの中身はなにか違うのでしょうか?
実のところはまったく変わりません。
「看板を付け替えた実質的に同じ商品」ですらないものがほとんどです。利用者が「レディースローン」を借りたつもりでいたとしても、申込みの段階からまったく一般のカードローンと同じです。この点、実際の女性利用者の中にも、一般と違う商品を申し込んだのだと勘違いしている人もいるかもしれません。
各社とも、「レディースキャッシング」といったサイトを用意していて、検索すればそこにヒットします。ですが、そこからWebや電話で申込みをした際のその後の手続きは、一般の場合とまったく同一です。貸金業者の立場になって考えてみます。女性向けに商品開発をするとして、どんなサービスが考えられるでしょうか。恐らく次のようなものでしょう。
- 人目が気になるので、他人に合わずに借入れが可能
- 電話すると女性が対応してくれる
ですがこれらの要望は、利用者が男性の場合であっても、必要性のまったく変わらないサービスです。男性だったら人目が気にならないなどということはありませんし、電話の相手にはソフトな応対を求めても当然のことでしょう。
結局、女性向きのサービスを各社とも考えているものの、それほどの決め手はないようです。どの業者も、女性オペレーターだけが応答する専用フリーダイヤルを用意している程度です。
中には、きちんと一般商品と別の商品名を付けているものもあります。スルガ銀行グループの消費者金融「ダイレクトワン」では、「Lady 1st」(レディーファースト)」というレディースローンを設けており、女性向けデザインを3タイプ用意しています。ですがこれも、オペレーターが女性だというだけで、その中身は一般のカードローンと変わりません。
・・・とはいうものの、本当に女性向けの商品もないわけではありません。
消費者金融大手のアイフルでは、「SuLaLi」(スラリ)という商品を発行しています。「SuLaLi」は貸出限度額を10万円に絞った、日常のちょっとした出費に対応している商品です。お財布に入れてもマッチするという、女性向けのカードデザインにも注目です。
ですが、売り出し方はともかくとして、これも、中身は限度額の低いカードローンに過ぎません。限度額が低いことは、うっかり使い過ぎることがないというメリットにもなりますが、それも結局は利用者次第です。審査が厳しくないとしても、それは限度額の低さによるもので、女性向けだからではありません。ただし、消費者金融利用のきっかけとして、ここからスタートしてみるのもいいかもしれません。もっと限度額が必要なら、改めて審査を申し込んで通れば、一般のカードローン商品に変わります。
その他、営業形態自体が女性向けだという消費者金融もあります。大手通販会社のベルーナが子会社で運営している「ベルーナノーティス」は、女性向けです。実際には男性も利用可能ですが、女性しか借りられないような印象を、恐らく業者側も意図的に与えようとしているようです。
ベルーナノーティスは、宣伝の場所も、女性購読者がほとんどの通販誌ベルーナですので、女性にとっては心理的に利用しやすいでしょう。イメージ以外のベルーナノーティスの特色は、珍しい「配偶者貸付」をおこなっている点です。現在の貸金業法の下では、自分自身の収入のない専業主婦(夫)に対する貸し出しは原則不可となっていますが、配偶者貸付はこの例外で、配偶者の収入に基づき貸出しをしてくれるものです。
取扱いが面倒で、利用者にとっても手続きがやや煩雑なためか、この配偶者貸付を扱っている業者は決して多くありません。ですが、自分の名義でどうしても借りたいが収入がないという人には大変助かります。配偶者の同意が必要ですから、勝手に申し込むことはできませんのでご注意ください。
女性向けキャッシングにメリットは?
再度整理しておきますと、女性向けのカードローン商品というものは、ほぼ世に存在していません。それらしい商品があったとして、だいたい次の三種類に分かれます。
- 申込みの入口だけ分けたもの。あとは同一。
- 商品とカードデザインだけ分けたもの。中身はほぼ同一。
- 女性専用のようなアピールをしている消費者金融
ですから、そもそも女性向け商品のメリット・デメリットというものも存在しないことを知っておきましょう。
女性だからといって、審査を緩くしてもらえることも、逆に利用限度額を低くされることもありません。その人の持つ信用により審査がされて、利用限度額が決まります。
女性のあなたが借入れを考えるとします。その場合、比較すべきなのは、金利、審査スピード、返済方法などのサービス面です。カードデザインももちろん重要ではありますが、「カードを持たない」ことや、スマートフォンでキャッシングすることも可能になっていますので、もはやカードも必須のものではありません。
女性オペレーターについても、そもそもオペレーターと一切話をせずに契約することもできます。
繰り返しになりますが、女性も男性も、カードローンで気にすべき部分は同じはずです。
女性向けのカードローン商品を申し込む
消費者金融は現在、ほとんどWebからの申込みが可能となっています。
一刻を争う人でないなら、どのカードローンでも、Webから申し込んで自宅にカードを送ってもらえます。ですから、人と会わずに契約まで進めます。女性向けの商品を案内しているサイトから入らなくても構いません。前述の「Lady 1st」「SuLali」などの女性向け商品を特に望む人でなければ、消費者金融各社のトップページから申込みに進んでも同じです。
急いで融資を受けたい人の場合、いろいろ考えるべきことがあります。
振込みで融資を受けるなら、消費者金融大手の場合、ローン専用カードがなくても借入れできます。ただ、多くの業者の場合、既存の銀行振込みを利用しますので、平日の午後2時頃までに審査を終えないと、当日中の振込みはしてもらえません。
2018年から銀行間で24時間365日の振り込み(モタタイムシステム)が開始したため、かつての平日2時までに・・・といった時間は気にせず振り込み融資を受けることができます。
ただ、消費者金融は24時間審査をしているわけではないので、今度は、そちらの時間を気にする必要があるでしょう。一般的な大手消費者金融では、土日祝日も含めて夜9時頃までに審査が終わらないと翌日の対応になってしまいます。また、銀行によってはまだ24時間振り込みに対応していないこともありますから事前に確認した方がいいでしょう。2019年8月現在ほぼすべての銀行では24時間振り込みに対応しています。
⇒24時間振り込み(モタタイム)に対応した金融機関一覧(全銀)
また、業者によっては、急ぎ融資を希望する場合には、申込後すぐフリーダイヤルに電話することが、必要ではないものの推奨されていることもあります。
振込み以外の方法で、急いで融資を受ける
「プロミス」「SMBCモビット」に限りますが、スマートフォンによるキャッシングができます。
Webから申し込んだ後、指定のアプリをインストールすることでATMでローンカードの代わりに使えます。
ただ、その方法に対応するATMは、2019年8月現在セブン銀行のATMだけです。セブン銀行ATMは、セブンイレブンにあるので困ることはないと思います。セブン銀行は最近、駅にも多く設置されています。
スマートフォンによるキャッシング以外で、急いで融資を受けるには「自動契約機」です。
ただ、自動契約機に入るのは、少々周りの目が気になります。
自動契約機の何がいいかというと、その場でローンカードが発行されることです。
最近は、スマホで申込み、振り込みで融資という方法が一般化しているため、自動契約機の数が減ってきてはいますが、それでも、スマホを持っていない、パソコンが操作できないという人はまだまだいるため、自動契約機は便利な存在です。
スマホやパソコンでの申込みが問題ない人であっても、Webで申し込んで審査まで通過した人が、カードを即時に受け取りたいという人には、自動契約機の最重要機能となっています。
理由あって、振り込み融資は困るという人もいるでしょう。主婦で自分個人口座を持っていないという人や、口座は持っているが振り込みの履歴を残したくないという場合もあるでしょう。そういう人は、ローンカードでATMで現金を借りるという方法に限られます。
自動契約機は、駅前やロードサイドにカラフルな看板が出ている消費者金融の自動契約コーナーですが、内部をご存じの方は男女問わず少ないでしょう。
店内は、驚くほど静かな空間で、本当に無人です。関係者だけでなく、他の利用者もほとんどいません。カードを入手していれば、店舗に入らなくても街中にたくさん提携ATMがあるためです。ですから、女性でも思い切って利用してみてはいかがでしょう。案ずるほどのことはありません。
雑居ビルの自動契約コーナーにはとても入れないという人の場合、プロミスやSMBCモビットでは、三井住友銀行ATMコーナーの多くに設置されている、多目的契約機でもカード受取りができます。三井住友銀行の口座作成のためにも利用されるブースですので、こちらならさして気にならないのではないでしょうか。
女性向けキャッシングの注意点
アイフル「SuLali」などごく一部の商品を除きますと、カードローン商品に女性専用のものはありません。レディースローンという商品が存在するわけではないので、そこは勘違いしないようにしましょう。当然、審査の方法も変わりません。
女性だから気を付けるべき部分はなにもないのです。
まとめ
女性のキャッシングについて見てきました。まとめてみます。
- 女性専用のカードローン商品は、実はほとんどない。あるように見えても中身は一緒。
- 女性だからといって、審査で優遇もされないし、不利益もない
- 人に会わずに契約完了したいのは、女性も男性も一緒。希望に合わせた多くの借入れ方法が用意されているので活用しましょう。
- 急ぎ融資の場合に